東京医科大学八王子医療センター

眼科

診療受付時間

月曜日〜金曜日  8:30〜11:00
第1・3・5土曜日  8:30〜10:00

休診日

日曜日 / 祝日 / 第2・4土曜日
4月の第3土曜日 / 年末年始

住所

〒193-0998
東京都八王子市館町1163番地

042-665-5611
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第1・3・5土曜日  8:30〜10:00

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〒193-0998
東京都八王子市館町1163番地

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ご挨拶

診療科長
志村 雅彦

 平成から令和の時代に変わり、 “質の高い医療”から“快適な医療”が求められる時代になってきました。当科においては、病院の性質上、難治性の疾患への対応が多く、患者さん全員にご満足いただけるようなサービスこそ提供出来てはおりませんが、我々も「手術よりは注射」、「入院よりは外来」で治療が行えるように、また「待ち時間は短く、説明時間は長く」なるよう日々努力をしております。
 当院では主に網膜剥離や糖尿病網膜症に代表される網膜硝子体疾患に重点をおいて診療を行っており、特に新薬への対応を積極的に行っているため、最先端の医療を提供することが可能です。また、高度な硝子体手術を年間600件、白内障手術は年間1500件ほどの実績があり、多摩地区では最大規模を誇っています。一方、教育機関の側面から、その効果を確認すべく診療情報の提供をお願いすることも多いかと思います。
 最先端医療と患者さん優先の治療、医学教育と臨床研究、多くの業務に追われる中、我々は、地域のみなさんの視力を守るという使命の下、一丸となって眼科医療を行っておりますので、どうぞこれからもよろしくお願いします。

新着情報

新着情報 2019年1月

• 2017年10月の第36回眼科写真展において渡會翔視能訓練士が大賞および部門賞のダブル受賞を果たしました。

• 2018年12月31日をもって眞島麻子医師が西東京総合病院に異動、内海卓也医師が東京医科大学新宿病院に帰任いたしました。より多くの経験を積んで、八王子に戻ってきてくれることを期待します。

• 2018年1月より本橋良祐医師が西東京総合病院より2年の科長勤務を終え、筆頭助教として帰任いたします。また、水木徹医師が東京医科大学新宿病院より後期研修医として赴任いたしました。

• 2018年1月より広瀬病院(相模原市城山)との連携が解消されました。今後の紹介診療等にご迷惑をおかけすることもありますが、ご承知おきください。

• 2018年9月27日から大阪で行われる第25回糖尿病眼学会(https://site.convention.co.jp/34jsdc25jsod/)において、志村雅彦教授が「糖尿病黄斑浮腫の臨床研究 ~日常診療の気づきを世界へ~」との演題名で特別講演を行います。

• 2018年から京都で行われる第73回日本臨床眼科学会(http://convention.jtbcom.co.jp/73ringan/)において、志村雅彦教授がシンポジウム「多施設後ろ向き研究:実臨床を科学する」において、シンポジストとして「実臨床における糖尿病網膜症」について発表します。

お知らせ

• 当院は診療施設であると同時に研究および教育施設として認定されております。従って、自覚症状がない方においても、医療上必要な検査および治療を提案することがあります。検査や治療の必要性については十分説明の上行いますが、同意を得られない場合や、治療方針に従えない場合など、転医をお願いすることがありますのでご理解ください。

医師紹介

  • 教授 志村 雅彦イメージ

    教授

    しむら まさひこ 志村 雅彦

    [特に専門とする領域]

    網膜硝子体、外傷

    担当曜日月・水

  • 准教授 野間 英孝イメージ

    准教授

    のま ひでたか 野間 英孝

    [特に専門とする領域]

    網膜硝子体、緑内障

    担当曜日火・金

  • 講師 安田 佳奈子イメージ

    講師

    やすだ かなこ 安田 佳奈子

    [特に専門とする領域]

    網膜硝子体、白内障

    担当曜日月・水・木

  • 助教 本橋 良祐イメージ

    助教

    もとはし りょうすけ 本橋 良祐

    [特に専門とする領域]

    網膜硝子体、外眼部疾患

    担当曜日水・木・金

  • 助教 水井 徹イメージ

    助教

    みずい とおる 水井 徹

    [特に専門とする領域]

    眼科一般、角膜疾患

    担当曜日月・火・木

  • 後期研修医 曽根 久美子イメージ

    後期研修医

    そね くみこ 曽根 久美子

    [特に専門とする領域]

    眼科一般、斜視弱視

    担当曜日月・火・金

  • 非常勤 藤田 聡イメージ

    非常勤

    ふじた さとし 藤田 聡

    [特に専門とする領域]

    眼科一般、角膜疾患

    担当曜日木(隔週)

休診・代診情報

休診日休診医師代診医師
2019年09月24日(火曜日)水井 徹
2019年09月26日(木曜日)水井 徹
2019年09月27日(金曜日)野間 英孝
2019年10月25日(金曜日)本橋 良祐
2019年10月25日(金曜日)野間 英孝
2020年01月30日(木曜日)安田 佳奈子
2020年02月03日(月曜日)安田 佳奈子
2020年02月05日(水曜日)安田 佳奈子
2020年02月06日(木曜日)安田 佳奈子
2020年02月06日(木曜日)藤田 聡
2020年04月02日(木曜日)藤田 聡
2020年04月16日(木曜日)藤田 聡
2020年04月30日(木曜日)藤田 聡
2020年05月07日(木曜日)藤田 聡
2020年05月21日(木曜日)藤田 聡
2020年06月04日(木曜日)藤田 聡
2020年08月20日(木曜日)藤田 聡

白内障手術、硝子体手術に関するお知らせ

八王子医療センター眼科はセンターの地理的条件(通院の利便性)や教育研修診療施設としての性格上、白内障手術は原則片眼3泊4日の入院で承っております。
また、硝子体手術は最新の小切開手術で、熟練の医師が低侵襲手術を行っております。 緊急手術も随時承っております。

主な診療実績

八王子医療センター眼科手術実績(件数)

術式2015年度2016年度2017年度2018年度
硝子体手術 417 532 588 594
白内障手術1,4971,4881,3731,469
緑内障手術 16 18 20 13
斜視手術 10 4 7 4
眼瞼手術 22 39 16 18
その他(硝子体注射、光凝固など) 496 188 166 140

“目は心の窓”と言われているように、外界からの情報のおよそ80%は視覚を通して獲得されており、社会構造が高度化した現代において、“ものが見えること” の重要性が増していることに異論はないと思われます。
その中で、視力の維持に直接携わる科として、私たちは最先端の診療を提供すべく、日夜努力しております。

しかしながら、未だ治療法のない疾患、原因さえ分からない疾患が数多く存在するのも事実であり、日々の診療の中で気付いた所見や経過を検討し、議論を重ねて、国内・海外の学会などに積極的に発信することで、“現在、世界的に見ても最高峰の眼科医療レベルにある”ことを目標に医療を行っています。

日本における後天的失明原因は以下の通りですが、この中で、治療法が確立しているのは6位の白内障だけです。

蛍光眼底造影検査とは?-虚血、血管透過性亢進、新生血管) イメージ
原因 割合
1. 緑内障 20%
2. 糖尿病網膜症 18%
3. 網膜色素変性症14%
4. 加齢黄斑変性 9%
5. 高度近視 8%
原因 割合
6. 白内障 3%
7. 外傷 3%
8. 脳障害 2%
9. 角膜混濁 1%
10.その他 22%

Geriatric medicine (2006) 44(9) 1221-4

そこで、当科における上記の疾患に対する取り組みを一部ですがご紹介したいと思います。

1位の緑内障は、未だ原因さえ分からず、治療法も眼圧下降のみですが、低眼圧でも進行する症例もあり全世界の眼科医が苦悩する疾患でもあります。
当科では、緑内障によって最も障害を受ける視神経線維の厚みを測定するとともに、眼球内の血流速度を測定することで、緑内障の進行のメカニズムを解明しようとしております。
また、患者さん個人の自動視野計のデータを数値化して永久管理するシステムを導入し、過去の診療経過から未来の視野障害の進行の程度を予測できるようにしました。

2位の糖尿病網膜症は、血糖コントロールと網膜光凝固の普及によって、失明を予防できるようになってきましたが、網膜の中でも視力を司る黄斑部が浮腫を起こし、視力が著しく低下する黄斑浮腫が問題になっています。
当科では、世界に先駆けて黄斑浮腫に対する選択的な治療法を導入しており、黄斑浮腫の形態を分類することで抗VEGF抗体、ステロイド、局所光凝固、硝子体手術といった治療法を行うことで、視力の改善・維持を目指しています。
なお、硝子体出血や網膜剥離、眼圧上昇などの進行性の強い増殖糖尿病網膜症に対しては積極的に硝子体手術を行っております。
当科では新たに小切開硝子体手術システムに加え、広角観察システムや内視鏡観察システムを導入して、現時点での最高レベルの手術技術を提供することに努めています。
しかしながら、どんなに最高の技術を駆使しても、血糖コントロールが安定しない症例や、長期間網膜症を放置された症例などは、未だに難治であることも事実ですので、早めの来院をお勧めいたします。

3位の網膜色素変性症は、遺伝性の強い疾患と言われ、現在いくつかの原因遺伝子が特定されてきていますが、治療法はなく、唯一の望みはiPS細胞を用いた再生治療と考えられています。
現状での問題点はこのiPS細胞を網膜の下に移植する技術と、iPS細胞を脳細胞に繋げる技術が確立していないことですが、当科では前者の技術を確立させるべく、網膜下への手術操作を積極的に行っています。

4位の加齢黄斑変性は脈絡膜新生血管と呼ばれる異常な血管が網膜の下に出来てしまう疾患であり、現在はこの新生血管の発症に関わる物質である血管内皮増殖因子(VEGF)に対するワクチンともいうべき抗VEGF抗体の毎月投与によって病状の抑制が行われています。
最近では作用時間の長い抗VEGF抗体であるVEGF trapが迅速に導入されており、従来の投与によって十分な効果の得られない疾患に対しての成果が期待されています。また、網膜下に出血が起こってしまい治療適応外となってしまった症例に対しても、網膜下の出血塊を除去する技術によって手術をし、一部改善がみられております。

5位の高度近視について、難治疾患である黄斑円孔網膜剥離を生じた症例に対しては、積極的な広範囲内境界膜併用硝子体手術によって、復位率は70%を超えています。
また、黄斑萎縮症例についてもFDA(アメリカ食品医薬品局)認可のサプリメント療法の相談なども行っています。

6位の白内障については、小切開による超音波発振による水晶体破砕法で行っていますが、従来の縦方向超音波発振に変えて、最新の縦横発振による手術器械を導入し、より短時間での白内障手術を可能にしました。
また、ご希望に応じて両眼同日の手術にも応じております。なお、日帰り手術に関しましては、術前術後の連日の外来通院による安全性が担保できないことから当院では薦めておりません。詳しくは担当医とご相談ください。

沿革

東京医科大学八王子医療センター眼科の開設は平成2年10月に野中茂久・助手、石原涼子・研修医と馬場こまき・視能訓練士が着任し診療を開始したことに始まります。
八王子医療センターの開設が昭和55年ですから10年目に眼科が出来たということになります。

初代の科長は平成3年1月に着任した小川徹郎・講師(後に助教授)でした。何もないところから科を立ち上げるのに、どれだけの苦労をなさったのか想像もつきませんが、当時のスタッフのおかげで現在の私たちがあるのかと思うと、ただただ頭が下がる思いです。

その後、平成6年7月より村松隆次・助教授(後に教授)が第2代の科長として赴任され、礎を築かれました。その時の科員には田中孝男先生、豊口晶子先生、井上博先生、工藤砂織先生がおられたようです。

第3代科長として白戸城照・助教授(後に教授)が赴任されたのは平成10年4月でした。当時の科員は井上博先生、園田靖先生、倉田美樹先生、林裕美先生、山田国央先生とすでに現在と同じ6人医師の体制が整えられました。
ご存知のように白戸先生は緑内障のエキスパートであり、多くの研究業績をもたらしたばかりでなく、平成13年6月には過去最大となる医師9人態勢で診療に臨まれています。まさに栄華を極めた時代であったようです。

白戸教授の退任後、第4代科長として平成17年1月より若林美宏・講師(後に教授)が昇任しています。
当時は熊倉重人先生、八木橋朋之先生、丸山勝彦先生、川井基史先生、川名聖美先生、栗田政憲先生がおられました。この当時は東京薬科大学の臨床実習生の受け入れが始まり、本格的に教育が始められています。また、加齢黄斑変性症に対する光線力学療法(PDT)を多摩地区で早期に導入したのも、この時代のことでした。

そして平成21年4月より田中孝男・助教授(後に教授)が第5代科長として赴任されています。当時は片井直達先生、横井克俊先生、奥貫陽子先生、小鹿聡美先生によって支えられていました。平成24年3月をもって田中教授が退任されると科長不在となり、同年7月まで村松大弐・講師が科長代理として、片井直達先生、伊丹彩子先生、長井瞳先生、沼田沙織先生とともに八王子医療センターの診療を少ない医局員で仕切ってくれました。

平成24年7月より、第6代科長として、私(志村雅彦・教授)が赴任してきました。当時は安田佳奈子先生、村松大弐先生、伊丹彩子先生、沼田沙織先生、嶺崎輝海先生が助けてくれました。
その後、馬詰和比古先生、松田隆作先生、中川疾先生、小竹修先生、藤井敬子先生、眞島麻子先生、内海卓也先生、今関誠先生らが新宿本院から派遣され、現在(平成31年1月1日)は志村雅彦(教授)、野間英孝(准教授)、安田佳奈子(講師)、本橋良祐(助教)、松島亮介(助教)、水井徹 (後期研修医)の6名体制で診療を行っております。また、藤田聡先生が非常勤として、隔週木曜日の外来で前眼部や外眼部の疾患を担当しています。

なお、地域関連病院として公立阿伎留医療センター(あきる野市)、都留市立病院(都留市)、加納岩総合病院(山梨市)、青陽園診療所(八王子市)に外勤業務を行っています。

八王子医療センター眼科の歴史ともいうべき平成の代が終わります。次の元号の代に向けて、常に最先端医療とやさしい医療を目標に掲げてきた伝統を大切に、今年も患者さんにとっての良質の医療を提供していきたいと思います。

※当科では手術をお引き受けする際に、感染症の有無、肝機能・腎機能・心電図および胸部X線検査を行い、手術施行に支障を来たす全身症状がないことを確認させていただいており、全身疾患を発見するための検診とは異なります。従いまして、手術に支障がない場合は、詳細な結果の報告はいたしません。

また、一部の眼科手術について、入院ベッドや手術室の待機時間によって、阿伎留医療センターや都留市立病院での手術をお願いすることがあります。ご理解の上、よろしくお願いいたします。

行っている治療

設備機器

OCT (Optical Coherence Tomography: 光干渉断層計)検査とは?

OCT

OCT (Optical Coherence Tomography: 光干渉断層計)検査イメージ

近赤外線の光線を眼底へ照射し、光の干渉を利用することで網膜の断面を見ることのできる検査です。
放射線や造影剤を使うことがなく、目に光を当てるだけですので、患者さん自身にほとんど負担をかけることなく安全に光学顕微鏡に近い精度の像が得られる、非常に画期的な検査です。
今までの眼底検査では網膜の表面までしかわかりませんでしたが、わずかな網膜の異常が一目でわかります。したがって、病気を早期に発見できたり、治療の経過も容易に評価できます。

どんな病気がわかるの?

特に以下の病気の診断に大変有用です。

①黄斑浮腫:網膜で一番重要な、視力をつかさどっている黄斑という場所があります。正常では、黄斑は凹んでいます(図 1)。
しかし、糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などにより黄斑という場所に水が溜まります。この状態を黄斑浮腫といいます。OCT で黄斑に水がたまっている状態がよくわかります(図 2)。

  • OCT検査-黄斑(正常)イメージ

    (図 1)

  • OCT検査-黄斑(黄斑浮腫)イメージ

    (図 2)

②加齢黄斑変性:加齢により網膜の外側の脈絡膜から異常な血管(新生血管)が生えてきて、黄斑の中や下に水がたまったり出血したりする病気です。OCT で黄斑に水や新生血管があるのがわかります(図 3)。

③黄斑円孔:硝子体の牽引によって黄斑に孔があく病気です。OCT で一目瞭然です(図 4)。

  • OCT検査-加齢黄斑変性イメージ

    (図 3)

  • OCT検査-黄斑円孔イメージ

    (図 4)

④緑内障:視神経乳頭の辺縁の健康な神経線維(視神経乳頭にむかって、物がみえる情報を伝達する細胞の突起)が細くなっていく病気です。
OCT で緑内障で障害を受ける神経の線維の厚みが、他の部分よりも薄くなっていることがわかります。今までの検査では確認できなった初期の緑内障の診断が下せるようになります。

所要時間

約 5 分

検査前

検査時に瞳孔を開く目薬を点眼します。点眼薬が効いて検査が出来るようになるまでに 30分前後かかります。

検査中

①顎を器械の顎台に乗せます。

②表示された機械の中の目標点を数秒間、じっと見つめ、正面をみているだけです。

③まばたきや、眼が動いてしまったりすると再検査が必要になりますので、目を動かさないで下さい。

④眼底写真のようにフラッシュをたいたりしませんので痛みはありません。

⑤検査が終了したら顎を台から外します。

検査後

①瞳孔を開けてから 4 時間から 5 時間は、まぶしくて物が見づらいので、注意して下さい。

②原則として車の運転は行わないでください。

③白内障や眼の中の濁りがあると、画像がやや鮮明ではなくなりますが、それでも役に立つ情報を得られることが多いです。

レーザー血流計とは?

レーザー血流計

レーザー血流計イメージ

①赤色の弱いレーザーを眼の奥に照明すると、血管の中を流れている赤血球に光が跳ね返る反射光でできるチラチラした斑点模様ができます。これがスペックルです。赤血球の流れが速くなりとチラチラしたスペックルが赤く見えます。このチラチラの速さをコンピューター処理して画像にしているのが血流マップです(図 1)。この血流マップとして表示する装置がレーザー血流計です。

レーザー血流計-血流マップイメージ

(図 1)

②放射線や造影剤を使うことがないので、患者さん自身にほとんど負担をかけることなく、安全に配慮してリアルタイムでの網脈絡膜の血流が測定できる、非常に画期的な検査です。具体的には、眼底の広い範囲をレーザーで照射できますので、測定後に様々な箇所を自由に設定し、その網脈絡膜の血流を定量的に測定できます。この検査を行うことにより、病気の早期の血流変化を捉えることがわかったり、血流が良くなっているのか悪くなっているのがわかったり、さらに経時的な網脈絡膜の血流を容易に追跡でき、経過観察するのに有用です。

どんな病気に行うの?

特に以下の病気に対して血流の観点から評価することができます。

①糖尿病網膜症:糖尿病による高血糖状態が長い間続くと、網膜の血管が障害され血流障害を生じ、充分な血液が網膜にいきわたらなくなります。
この網膜血管を流れる血流を測定することで、糖尿病網膜症の進行度を評価できる可能性があります。

②網膜静脈閉塞症:動脈が硬くなると、動脈と静脈は隣り合って一緒に走っているため、静脈が圧迫されます。
すると血流障害を生じ、静脈が閉塞します。レーザー血流計で正常血管では血流が早く(赤色)、閉塞血管では血流が遅く(青色)なっているのがわかります(図 2)。
この動静脈を流れる血流を測定することで、網膜静脈閉塞症の進行度を評価できる可能性があります。

どんな病気に行うの?-網膜静脈閉塞症イメージ

(図 2)

③緑内障:これまで眼圧上昇が視神経障害を引き起こす原因と言われていました。
しかし、最近、血流障害も視神経障害を引き起こす可能性があることがわかってきました。視神経内を流れる血流を測定することで、緑内障の進行度を評価できる可能性があります。

所要時間

約 10 分

検査前

検査時に瞳孔を開く目薬を点眼します。点眼薬が効いて検査が出来るようになるまでには30 分前後かかります。

検査中

①顎を器械の顎台に乗せます。

②表示された機械の中の目標点を数 5 秒間、じっと見つめ、正面をみているだけです。

③まばたきや、眼が動いてしまったりすると再検査が必要になりますので、目を動かさないで下さい。

④眼底写真のようにフラッシュをたいたりしませんので、痛みはありません。

⑤白内障や眼の中の濁りがあると、検査ができないことがあります。

⑥検査が終了したら顎を台から外します。

検査後

①瞳孔を開けてから 4 時間から 5 時間は、まぶしくて物が見づらいので、注意して下さい。

②原則として車の運転は行わないでください。

蛍光眼底造影検査とは?

FA

蛍光眼底造影検査とは?-FAイメージ

眼科疾患に用いられる造影剤(色素)にはフルオレセインとインドシアニングリーンの 2つがあり、特殊なフィルターを通した光をあてると蛍光を発する性質を持っています。
これらの性質を利用した検査が蛍光眼底造影検査です。腕の静脈に造影剤を注射すると心臓を経て眼底の血管に流れていきますので、その様子を眼底カメラで数十枚連続して撮影します。

青色光または赤外光フィルターを通して眼底を照明し、造影剤(色素)から発している蛍光のみを撮影していきます。
この検査を行うと、血管内の血液の流れの状態や、通常の眼底検査では見つけられない病変を詳しく調べることができ、レーザー治療や手術などの治療方針を決めることができます。

①フルオレセイン蛍光眼底造影(FA):網膜血管の病変の検査に用いられます。
網膜の毛細血管の解像度の高い画像が撮影できます。正常では、血液に入った色素は蛍光を発しますので、フィルターを通すと血管自体は白く写ります(図 1)。
もし毛細血管が詰まっている部分があると色素が流れていかないため暗く写りますので、正常な部分とはっきり区別することができます(虚血)(図 2)。

また正常な網膜血管から造影剤は漏れませんが、血管が炎症などで脆くなると、蛍光色素の漏れを生じ白く写ります(血管透過性亢進) (図 2)。
同様に異常な血管があっても蛍光色素の漏れを生じ白く写ります(新生血管) (図 2)。

  • 蛍光眼底造影検査とは?-フルオレセイン蛍光眼底造影(FA)イメージ

    (図 1)

  • 蛍光眼底造影検査とは?-虚血、血管透過性亢進、新生血管) イメージ

    (図 2)

②インドシアニングリーン蛍光眼底造影(IA):脈絡膜血管の検査に用いられます。
使用波長が近赤外領域にあり、蛍光の透化性が高いため、フルオレセインでは検出が困難な網膜下に存在する脈絡膜血管病変の評価に向いています。またポリープ状脈絡膜血管症の診断にも有用です。

どんな病気に行うの?

よく蛍光眼底造影検査が行われる病気は以下の 3 つで、診断に大変有用です。

①糖尿病網膜症:糖尿病による高血糖状態が長い間続くと、網膜の血管が障害され血液の成分がしみ出てきたり(血管透過性亢進)、血管がつまって血液の循環が悪くなり、充分な血液が網膜にいきわたらなくなってきます(虚血)。
この状態が広がると異常な血管が生じてきます(新生血管)。

②網膜静脈閉塞症:動脈硬化で動脈が硬くなると、動脈と静脈は隣り合って一緒に走っているため、静脈が圧迫され網膜静脈閉塞症を発症します。
すると帰り場所を失った静脈の血液が血管の外へ漏れ出てきます(血管透過性亢進)。
さらに充分な血液が網膜にいきわたらなくなってきます(虚血)。

③加齢黄斑変性:加齢により脈絡膜から異常な血管を生じたり(新生血管)、網膜内や網膜下に水や出血が溜まっているのがわかります(血管透過性亢進)。

所要時間

1つの検査の所要時間は 15 分程度で、両方行うと 30 分程度かかります。

検査前

①検査時に瞳孔を開く目薬を点眼します。点眼薬が効いて検査が出来るようになるまでには 30 分前後かかります。

②腕の静脈から点滴をとります。

検査中

①顎を器械の顎台に乗せます。

②最初は、表示された機械の中の目標点をじっと見つめ下さい。

③その後、視能訓練師から向く方向を指示されますので、その方向に目を向けて下さい。

④撮影時は、フラッシュをたきますので、まぶしいです。

⑤検査が終了したら顎を台から外します。

検査後

①フルオレセインは主に腎臓から尿中に排泄、インドシアニングリーンは肝臓から胆汁へと排泄されます。FA 検査後は尿が黄染、IA 検査後は便が緑色になりますが、1-3 日で体外に排出されますので特に心配ありません。

②造影剤に対する副作用が出ることがあります。特に薬物アレルギー(特にヨードアレルギー)や心・腎疾患がある人は注意が必要です。副作用の症状としては吐き気、動悸、かゆみを伴う発疹やくしゃみがでることもあります。まれに呼吸困難・意識障害・血圧低下・腎不全などのショック症状を起こすことがあり、この場合は救急医が緊急の処置を行います。

③瞳孔を広げてから 4 時間から 5 時間は、眩しくて物が見づらいので、注意して下さい。 原則として車の運転は行わないで下さい。

研究業績(2015年-2018年)

[国際論文]

1. Watanabe, T., Mashima, Y., Kigasawa, K., Mashima, A., Shimura, M. and Hirakata, A. Increased microcirculation on optic nerve head by laser speckle flowgraphy at early stage of Leber hereditary optic neuropathy. J Neuro-Ophthalmol 2018 in Press.

2. Motohashi, R., Noma, H., Yasuda, K., Kotake, 0., Goto, H. and Shimura, M. Dynamics of soluble vascular endothelial growth factor receptors and their ligands in aqueous humour during ranibizumab for age-related macular degeneration. J Inflamm 2018 in Press

3. Sugimoto M, Tsukitome H, Okamoto F, Oshika T, Ueda T, Niki M, Mitamura Y, Ishikawa H, Gomi F, Kitano S, Noma H, Shimura M, Sonoda S, Sawada 0, Ohji M, Harimoto K, Takeuchi M, Takamura Y, Kondo M, Sakamoto T. Clinical preferences and trends of anti-vascular endothelial growth factor treatments for diabetic macular edema in Japan. J Diabetes Investig 10: 475-483, 2019.

4. Ogura, Y., Shimura, M., Iida, T., Sakamoto, T. Yoshimura, N., Yamada, M. and Ishibashi, T. Phase WIII Clinical Trial of Sub-Tenon Injection of Triamcinolone Acetonide (WP-0508ST) for Diabetic Macular Edema. Ophthalmologica 241: 161-169, 2019.

5. Mimura T, Funatsu H, Noma H, Shimura M, Kamei Y, Yoshida M, Kondo A, Watanabe E, Mizota A. Aqueous Humor Levels of Cytokines in Patients with Age-Related Macular Degeneration. Ophthalmologica 241: 81-89, 2019.

6. Kotake, 0., Noma, H., Yasuda, K., Motohashi, R., Goto, H. and Shimura, M. Comparing Cytokine Kinetics between Ranibizumab and Aflibercept in Central Retinal Vein Occlusion with Macular Edema. Ophthalmic Res. 25: 1-8, 2018.

7. Takamura, Y., Shimura, M., Katome, T., Someya, H., Sugimoto, M., Hirano, T., Sakamoto, T., Gozawa, M., Matsumura, T. and Inatani, M. Effect of intravitreal triamcinolone acetonide injection at the end of vitrectomy for vitreous haemorrhage related to proliferative diabetic retinopathy. Br J Ophthalmol 102: 13 51-7, 2018

8. Shimura, M., Yasuda, K., Motohashi, R., Kotake, 0. and Noma, H. Aqueous cytokines and growth factor levels indicate response to ranibizumab for diabetic macular edema. Br J Ophthalmol 101: 1518-1523, 2017.

9. Motohashi, R., Noma, H., Yasuda, K., Kotake, 0., Goto, H. and Shimura, M. Dynamics of inflammatory factors in aqueous humor during ranibizumab or aflibercept treatment for age-related macular degeneration. Ophthalmic Res 58: 209-216, 2017

10. Noma, H., Mimura, T., Yasuda, K., Motohashi, R., Kotake, 0. and Shimura, M. Aqueous humor levels of soluble vascular endothelial growth factor receptor and inflammatory factors in diabetic macular edema. Ophthalmologica 23 8: 81-88, 2017.

12. Shimura, M., Yasuda, K., Minezaki, T. and Noma, H. Reduction of the frequency of intravitreal bevacizumab by posterior subtenon injection of triamcinolone acetonide in patients with diffuse diabetic macular edema. Jpn J Ophthalmol 60: 401-7, 2016.

13. Yasuda, K., Motohashi, R., Kotake, 0., Nakagawa, H., Noma, H. and Shimura, M. Comparative effects of topical diclofenac and metamethasone on inflammation after vitrectomy and cataract surgery in various vitreoretinal disease. J Ocular Pharmacol Ther 32: 677-84, 2016

14. Noma, H., Mimura, T., Yasuda, K. Nakagawa, H., Motohashi, R., Kotake, 0. and Shimura, M. Cytokines and recurrence of macular edema after intravitreal ranibizumab in patients with branch retinal vein occlusion. Ophthalmologica 236: 228-34, 2016.

15. Noma, H., Yasuda, K., Minezaki, T., Watarai, S. and Shimura, M. Changes of retinal flow volume after intravitreal injection of bevacizumab in branch retinal vein

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