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輸血のインフォームド・コンセント

筆者: 臨床検査医学科 科長 田中 朝志 掲載日:2015/01/19

 輸血に関する最新情報を載せた説明書を準備しています。ご質問などありましたらお気軽にお尋ねください。

 以前は輸血によりB型・C型肝炎が多発したり、海外産の非加熱凝固因子製剤によるいわゆる薬害AIDS事件の発生などがあり、「輸血は怖い」とのイメージがあるかもしれません。そこで今回は輸血副作用の最新情報など、インフォームド・コンセントの重要事項についてご紹介します。

○輸血の必要性と効果:

 血液中の赤血球、血小板、血漿などが減少すると、重要臓器の酸素不足や血圧低下、出血傾向などが生じます。これらの減少した血液中の成分を補うことにより、全身状態や種々の症状を改善することができます。まだ多くの血液成分は献血された人の血液から作られているので、私たち医療関係者には“無駄使いをしない”努力が求められています。現在山中先生の発明されたiPS細胞を利用した血小板等の人工生産が研究されており、将来はオーダーメイドで輸血ができる時代が来るかもしれません。

○輸血の副作用:

 2013年12月に約10年ぶりに輸血によるHIV感染症の報告がありました。これを受けて本年8月より日本赤十字社では献血血液のスクリーニング検査の1つである核酸増幅検査の感度を上げる対策が取られたので、さらに安全性は向上すると思われます。最近10年間の日本全体での輸血後感染症の報告数と1年平均の件数を表に示しました。HBVは年9件、その他の感染症は年1件程度であり、年間の推定輸血患者数(約100万人)から、全ての感染症の発生頻度は約10万分の1となります。その他、呼吸困難や発熱・発疹などががおこる場合もありますので、輸血中~数時間後にかけては綿密な経過観察を行います。

○代替療法:

 代表的なものに、自己血(赤血球等の代替)、人工膠質液(アルブミンの代替)、エリスロポエチン(赤血球産生を促進するホルモン)があります。特に自己血は、待機的手術で貧血・感染症などがなければ適応になるケースが多いので、積極的な利用がお薦めです。 なお輸血をしない場合にはショック状態に陥ったり、心不全、出血を生じたりする可能性があります。

 以上、最近輸血の安全性は高まっており、肝炎の発症は極めてまれとなりました。しかしゼロではないので、輸血の2-3か月後には念のため感染症の検査をお受けいただくよう、お願い致します。


 日本での輸血後感染症の発生頻度

  • 感染症           2004-2013      年平均頻度
  • B型肝炎            91件        9.1件/年
  • C型肝炎             6件         0.6件/年
  • E型肝炎            12件        1.2件/年
  • パルボウイルスB19         5件         0.5件/年
  • 細菌               10件          1.0件/年
  • HIV                1件           0.1件/年

 


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