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認知症についてのお話し

筆者: 高齢診療科 科長 金谷 潔史 掲載日:2017/10/04

認知症についてのお話し

 現在わが国には認知症患数は500万人以上、認知症予備軍である軽度認知障害者( MCI )は400万人いると推計されています。MCIは2〜3年後にその2〜3割が認知症に移行するとされることから、認知症患者は年々確実に増加していきます。認知症は加齢と共に増加し、65〜69歳では100人に5〜6人とまれですが、80歳を過ぎると3人に1人、85歳を超えると2人に1人が認知症になります。これほどの高齢化社会の出現は予測できなかったことから、人類はこれから認知症という怪物と対峙しなくてはなりません。

 

 認知症は、疾患名というよりは症候名であります。代表的な認知症を来す疾患は、1.アルツハイマー型認知症(60%)、2.脳血管性認知症(20%)、3.レビー小体型認知症(20%)でありますが、それぞれが合併することが多く、診断を難しくしていることがあります。アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドというタンパク質がたまり、短期の記憶障害から始まります。最終的にはタウ蛋白からなる神経原線維変化が神経細胞を消滅させていき、全般的な脳の萎縮に発展していきます。レビー小体型認知症は、レビー小体という変性した物質が脳に沈着して、幻視、パーキンソン症状、意識レベルの変動、レム睡眠行動異常等の症状を特徴とします。いずれの疾患も進行性であることから、早期の診断、治療、そして介護の介入が重要です。

 

 認知症の症状には中核症状と行動心理症状(BPSD)があります。中核症状は、記憶障害、見当識障害(時間・場所の見当がつかなくなる)、判断力の低下等があります。車の運転は高度な判断の連続であることを考えると、認知症の方が運転することは、大変危険な行為であるといえます。

 

 一方BPSDには、暴力・無気力・うつ・幻覚・妄想・不安・不穏・徘徊・攻撃性等があり、これらは中核症状よりも厄介なものであり、介護者を疲弊させる要因でもあります。

 

 現在認知症の治療薬は4種類ありますが、いずれも症状の進行を遅くするのみで元に戻せる薬ではありません。根本的な治療薬は、現在も世界中で研究、開発、臨床試験が行われていますが、登場まではまだ数年近くかかると思われます。その間は早期診断を行い、現在ある薬で治療介入を行うことで、少しでも中核症状の進行を遅らせたりBPSDの症状を抑えていくことが重要となります。

 認知症でお困りのご家族の方は早めに専門施設にご相談することをお勧め致します。

 


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