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変わりゆく傷口の処置

筆者: 形成外科 科長 吉澤 直樹 掲載日:2017/10/04

変わりゆく傷口の処置

 「きりキズ・すりキズ」どちらも日常的に遭遇する怪我ですね。その時、傷口の処置はどうされていますか?

 毎日消毒して清潔なガーゼで覆い、テープや包帯で固定する。キズが乾いてくると、治ってきたなと一安心する。ついこのあいだまでは、これがごく当たり前の処置法でした。ところが最近は、これまで必須と考えられてきた「消毒」や「乾燥」に?マークが付くようになっています。


 

 傷口を細菌感染から守ることは、昔も今も変わることの無い重要課題です。「消毒」も「乾燥」も細菌の繁殖を抑える一つの手段ですから、感染防止の点から見れば悪いところはありません。

 しかし、これらは同時にキズを修復する細胞にも悪影響を与えるため、体は十分な治癒能力を発揮することができなくなってしまうのです。現在では、人が本来持つ能力を妨げないように、消毒は必要最小限に控え、適度な湿潤環境を保つように処置することが殆どです。

 さらに、近年ではこのような「治りを妨げない環境づくり」から「治りを促進する環境づくり」へと発展もしてきています。その代表的な治療が「持続(じぞく)陰圧(いんあつ)閉鎖(へいさ)療法(りょうほう)」です。ストローで紙パック飲料を飲んでいる時、最後の一口からさらにもう少し吸って陰圧をかけると容器がクシャっと潰れます。特殊な装置を用いて傷口にこのような陰圧刺激を与えると、血管の新生や組織の増殖が促され、キズの治りが早まるのです。この治療により、治癒までの期間が短くなったり、今まで必要とされていた手術を回避することができるようになってきています。

 陰圧をはじめとした物理的刺激が生体にどのように作用するかは、メカノバイオロジー研究として最近注目を浴びています。ガーゼの代わりに小型の機械で傷口を覆う日も、それほど遠い未来の話ではなさそうです。


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