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今回は「縦隔腫瘍(じゅうかくしゅよう)」について簡単に解説します

筆者: 呼吸器外科 呼吸器外科 高橋 秀暢 掲載日:2018/11/13

今回は「縦隔腫瘍(じゅうかくしゅよう)」について簡単に解説します

 「縦隔腫瘍(じゅうかくしゅよう)」はあまり聞いた事がありませんが、どんな病気ですか?

 「縦隔腫瘍」というと、比較的稀な腫瘍のため、なじみの少ない病気だと思いますが、呼吸器外科手術の中では肺癌・気胸に次いで3番目に多い病気です。

 まず、「縦隔(じゅうかく)」というのは体の中で左右の肺と胸椎および胸骨に囲まれた部分を指します。

 ここには心臓・大血管・気管・食道・脊椎など、一つでも無いと生きていけない重要な臓器や胸腺・リンパ系・神経組織があります。そして、縦隔腫瘍とはこれらの縦隔にある臓器や組織に発生した腫瘍の総称で、一つの疾患ではありません。年齢は小児から高齢者まで幅広く発生し、良性のものから悪性のものまで様々です。

 どうして発見されるのですか。

 腫瘍の大きさが小さい段階では症状が無いことが多く、検診などでの胸部エックス線や他の病気の検査ついでの胸部CT検査などで偶然発見されます。無症状のものの約80%は良性であると言われています。

 どのような種類があるのでしょうか。

 手術された縦隔腫瘍では、最も多いのは胸腺に発生する胸腺腫で、縦隔腫瘍全体の約40%を占めています。次いで多いのは交感神経や肋間神経から発生する神経原性腫瘍で約20%、袋の内容が液体の嚢胞(のうほう)が15%、甲状腺腫5%、悪性の腫瘍では、胚細胞性腫瘍(奇形腫など)が全体の約8%、胸腺がんと悪性リンパ腫がともに約5%と報告されています。

 また、縦隔腫瘍は腫瘍の存在する場所からその種類を推定することが出来ます。

 上縦隔では甲状腺腫、前縦隔であれば胸腺腫や胸腺癌などの胸腺から発生する腫瘍、後縦隔であれば神経原性腫瘍、中縦隔ではリンパ腫や心膜嚢胞などと推定されます。

 どのような検査をするのでしょうか。

 まず胸部エックス線検査、胸部CT検査、胸部MRI検査などの画像診断が行われます。

 また、腫瘍の種類によって血液検査で特徴的な異常を示すものがあり、腫瘍マーカーとして診断に有用な場合があります。治療方針を決定する上で、腫瘍の種類を推定することが重要です。無症状で発見される腫瘍の多くは、画像診断のみで腫瘍の種類を推定し、診断と治療をかねて手術となる場合が多くあります。しかし、症状のある場合の多くは、腫瘍が周囲の臓器にまで及んでいることが多く、CTで腫瘍を確認しながら皮膚の上から針を刺して組織を採取し(CTガイド下生検)、顕微鏡による診断(病理診断)を行います。

 治療はどのようになるのでしょうか。

 縦隔腫瘍には様々な腫瘍が含まれるため、その種類によって適切な治療方法が異なります。

 手術可能な多くの場合には手術を行います。これは腫瘍が良性であっても発生した場所が悪いからです。つまり、たとえ良性腫瘍であったとしても、大きくなると心臓や大血管や肺を圧迫する可能性があるからです。また、良性腫瘍が悪性化する可能性も否定できません。このため診断と治療をかねて手術が行われます。

 手術は腫瘍の部位や推測される腫瘍の種類によって、胸腔鏡下腫瘍切除や胸骨正中切開による手術など、最も適切と考えられる術式が選択されます。施設は限られますが、最近ではロボット支援による手術も増加してきています。

 縦隔腫瘍が胸腺がんや悪性リンパ腫などの悪性の場合には手術・放射線治療・抗がん剤治療などを組み合わせた治療(集学的治療)が行われます。

 詳しくは、専門医にお尋ね下さい。


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