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輸血の代替療法について

筆者: 臨床検査医学科 科長 田中 朝志 掲載日:2012/06/01

輸血の代替療法について

輸血は外傷や外科手術などで用いられ、多くの生命を救ってきた反面、C型肝炎ウイルス・HIV感染症等の重い副作用もおこしており、その負の面を補うために代替療法が発達してきました。今回は自己血輸血とエリスロポエチンについてご説明します。
自己血輸血:
自己血輸血とは患者さん自身の血液をあらかじめ採取して貯めておき手術等の必要時に戻す方法です(貯血式自己血輸血)。さらに手術中に出血した血液を吸引して回収し、赤血球だけを戻す術中回収法もあります。日本では赤十字血液センターにより血液が安定供給されていますが、5年前より輸血の需要が増加していること、並びに通常の輸血(ボランティアからの献血血液に由来する輸血)には頻度は低いながら種々の副作用があることから、輸血の安全性および安定供給において自己血輸血には優れた面があります。
自己血の通常の採血スケジュールでは手術の2-3週前から1回に300~400mlずつの採血を2~3回計画します。 この間は鉄分不足になるため、鉄剤の内服が必要です。鉄剤により便が黒くなりますが心配ありません。また患者さんによってはエリスロポエチンという薬を注射し、赤血球を増やす工夫をしながら採取します。採血前日には十分に睡眠を取り、採血前は食事・水分をきちんと摂取し、採血後は体に負担のかかる労作を避けていただくことが重要です。
エリスロポエチン:
体内では主に腎臓で合成され、赤血球の産生を促進する働きのあるホルモンです。すでに遺伝子組み換え技術により作られたエリスロポエチン製剤があり、腎性貧血や左記の自己血貯血に際して使用され、優れた効果が得られています。また欧米では各種悪性疾患の化学療法に伴う貧血にも利用されていますが、日本では保険適応がありません。赤血球を増加させると持久力を高めることができるため、自転車競技などのドーピングに使用されてきた歴史もあります。がん患者さんに利用できればQOLの改善も期待できるだけに今後の保険適応が望まれるところです。


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