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認知症について

筆者: 高齢診療科 科長 金谷 潔史 掲載日:2014/08/18

認知症について

 今回は「認知症」についてお話し致します。認知症は「いったん正常に発達した知的機能が持続的に低下することによって社会生活に支障を来すようになった状態」と定義されています。従って社会生活に支障がなければ認知症ではないことになりますが、多くの方々は認知機能が落ちることで何らかの困った症状を有しています。

 現在わが国で認知症患数は462万人、認知症予備軍である軽度認知機能障害者( MCI )は400万人いると推計されています。MCIの人たちは2〜3年後にはその半数が認知症になるといわれていることから、認知症は年々確実に増加する疾患であるといえます。認知症の有病率は年齢と共に増加し、65〜69歳では100人に5〜6人とまれですが、80歳を過ぎると3人に1人、85歳を超えると2人に1人は認知症になります。これほどの高齢化社会の出現は予期できなかったものであり、人類はこれから認知症という怪物に対峙しなくてはならないと言っても大げさではありません。

 認知症の症状ですが、中核症状と行動心理症状(BPSD)があります。中核症状は、記憶障害(特に短期記憶の障害)、見当識障害(時間・場所の見当がつかなくなる)、判断力の低下等があります。認知症の方が車を運転することは、車の運転は高度な判断の連続であることから大変危険な行為であるといえます。

 一方BPSDには、暴力・無気力・うつ・幻覚・妄想・不安・不穏・徘徊・攻撃性等があり、これらは中核症状よりも厄介なもので、介護者を疲弊させる要因でもあります。

 現在認知症の治療薬は4種類ありますが、いずれも症状の進行を遅くするのみで元に戻せる薬ではありません。それでも早期診断、治療を開始することで少しでも進行を遅らせ、BPSDの症状を抑えることが可能となりますことから、認知症でお困りのご家族は早期の受診をお勧め致します。

 


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